マリモは本当はまり状ではなくて糸状?
実は糸状の生物の集合体だった!
淡水に棲む緑藻の一種であるマリモ。
天然記念物にも指定されている北海道の阿寒湖のマリモが有名です。
阿寒湖のマリモは可愛らしい球状の姿が特徴ですが、実はマリモはもともと球ではなく糸状の植物なのです。
糸状のマリモは丸まらず、湖底において芝生のような形で生育します。
1個の球状 = 1個のマリモというわけではなく、球状のマリモは糸状のマリモが集まった集合体なのです。
世界の様々なマリモ
球状というイメージが強いマリモだが、日本国内に棲息しているマリモで球状なのは、阿寒湖だけ(青森県の小川原湖でも、球状のマリモが発見されたことがある)。
マリモはヨーロッパやロシア、アメリカにも分布しているが、海外で球状なのはアイスランドのミーヴァトン湖のマリモだけ(オーストリアのツェラー湖にも2世紀には球状マリモが棲息していたという記録が残っているが消滅し てしまった)。
しかも、ミーヴァトン湖は世界最大のマリモの群生地だったが、2010年代に入って、工場の排水が原因でマリモが壊滅状態になってしまった。
ますます阿寒湖の球状マリモが貴重な存在となったのである。
では、なぜ阿寒湖のマリモは球状になるのか?
阿寒湖でも北側のチュウルイ湾付近に球状マリモが棲息することから、一説で
はチュウルイ湾に吹く絶妙な風が波を生み、それによって揺すられることで球状 になると考えられています。