毒草のトリカブトは薬にもなる?
薬としても使える毒草
毒をもつ植物として有名なトリカブト。
日本三大有毒植物と言われるほど、そ の毒は強力で三大有毒植物の残りの二つは、ドクゼリとドクウツギ)。
ギリシア神話の死と魔術の女神ヘカテーを象徴した花で庭に植えてはならないといわれ、同じくギリシア神話の地獄の番犬ケルベロスのよだれから生まれたとのエピソード もあります。
1986年にはトリカブトの毒をつかった保険金殺人事件も発生しています。
ト リカブトの恐ろしさが大きく報道されたので、この事件が記憶に残っている人も多いでしょう。
このように凶悪な植物であるトリカブトだが、実は古くから薬としても用い られている。
附子、烏頭、天雄とよばれる根の部分が漢方薬になるのです。
漢方薬としてのトリカブトには、強心作用、鎮痛作用、皮膚温上昇、血液循環の改善な どの効果があるという。
ただし、強い毒性があるので、そのまま漢方薬となることはなく、毒性を限りなく弱める処理が必要となります。
良薬口に苦しとはまさにこのことだろう。