牛乳パックからどうやって紙を再生するの?
牛乳パックに使われる木の本数
木材の無駄使いをやめようと、牛乳パックを回収して再生紙をつくる運動が各地盛んになりつつあるようです。
日本で一日につくられる牛乳パックは900万個、その原料は木4000本分のバージンパルプだなので、かなりの消費量となります。
これを再生すれば、 資源の節約になるのは間違いありません。
しかし「再生」といっても、牛乳パックがトイレットペーパーやノート用の紙などになるまでには、相当な手間がかかります。
牛乳パックから紙を再生する手順
まずパックを開き、牛乳や汚れをきれいに取り除くことから始まります。
ここまではたいていの場合、リサイクル運動をすすめている市民団体の仕事。
再生工場では、ビニール・コーティングを溶かして完全にはがします。
それから 印刷のインクを抜き、消毒して、パルプをつくります。
これをさらに、トイレット ペーパー用、ノート用など用途に応じた紙にして、再生紙製品がつくられるのです。
紙をつくる際の燃料はいうまでもなく石油ですが、紙のリサイクルは石油資源の節約にもなっています。
1トンの紙を原木からつくるには600キログラムもの石油が必要なのに対し、古紙再生の場合なら200キログラム程度で足りるのです。
まさにいいことずくめのようですが、問題は再生パルプをつくるのに特別な設備がいること。
設備費の点を考えると、再生工場が増えるのにもまだまだ時間がかかりそうです。