オスなのに出産する生き物がいる?
オスなのに卵を抱えるヨウジウオ
子供を産むのはメスというのは、人でも動物でもごく当たりまえの自然界の法則です。
ところが海の中には、オスが出産する世にも珍しい生物がいるのです。
ヨウジウオは、スウェーデンの海に棲む魚で体長50センチほど。
タツノオトシゴのような見た目でヒョロヒョロと細長い体つきをしています。
つまようじのように細い見た目から「楊枝魚」という名前がつけられました。
この魚、メスが産卵期を迎えるとなぜかオスのお腹の袋の中に卵を産みつけるのです。
卵はオスの腹袋で受精卵となり、17~22日間ぐらいで稚魚が誕生します。
タツノオトシゴも、オスの尾の下にある袋に卵が産みつけられます。
出産後は、 ヨウジウオがいっさい稚魚の世話をしないのとは異なり、しばらく袋の中で育てます。
その理由ははっきりとしていませんが、出産も子育てもオスの仕事というわけです。
ちなみに、タツノオトシゴもヨウジウオ科に属する魚。
尾のカールや体の表面のかたさはまるで違いますが、口の細長さは確かにそっくりです。