天然のきゅうりはなぜ曲がっているのか?
きゅうりがなぜ曲がるのか
きゅうりの実は果物の果実と同じように、子房とよばれる部分が発育してできたものです。
子房というのはめしべの主要な部分で、この中にある胚珠が受精すると種子が生まれて、果実に成長していきます。
その途中、一つの子房の中でも、ある胚珠は受精し、ある胚珠は受精しないとい う現象が起こります。
その結果どうなるか。受精して種子ができた部分はよく育つ のに対して、種子ができなかった部分は発育が悪いため、ゆがんだり曲がったりします。
きゅうりの場合は、種子の少ない側面のほうへと曲がってしまいます。
開花直後のきゅうりの幼果(子供の実)には、茎から出た巻きひげのほうへ曲がる性質もあります。
巻きひげに養分を奪われた側がよく育たなくなるためと言われています。
曲がっているもの=自然の証拠
スーパーで売っているきゅうりはやけにピンと伸びていると思いませんか?
近ごろでは、曲がりを防ぐためにケースをかぶせたり、おもりを下げたりしてきゅうりを育てる農家も少なくないそうです。
その理由は曲がっているきゅうりはなんとなく品質が悪そうに見えたり、見栄えの問題で手に取られなくなるからだそうです。
本来は自然に育ったきゅうりはU字に曲がっているのが普通なので、負荷を与えて無理やり見栄えを良くしている裏側を知ると少し複雑ですね。